フリマサイト上での医薬品等の違法出品の防止に向けた取り組み

前回の記事では、一般用医薬品のネット販売における販売ルールの順守状況について、取り上げました。

一般用医薬品のネット販売は、許可を受けた薬局・薬店(店舗販売業)しか行うことができません。
許可なく、医薬品等をネット通販やフリマサイト等で取引することは、医薬品医療機器等法に違反する恐れがあり、禁じられています。

《薬機法違反のおそれのある行為》
・許可無く医薬品をフリマサイト等で販売すること
・許可や届出無く医療機器(一般医療機器除く)をフリマサイト等で販売すること
・個人輸入した化粧品(海外製化粧品)等をフリマサイト等で販売すること
・国内で医薬品に指定されている成分を含む海外製のサプリメントを出品すること
・製造番号(ロット番号)や成分表示などの法定表示事項の一部または全部が変更、削除された化粧品等を販売すること

しかしながら、フリーマーケットサイト(メルカリ、ラクマ等)やオークションサイト(ヤフオク!、モバオク!等)、クラシファイドサイト(ジモティー等)といった消費者間取引(C to C)が活発になる中、フリマサイト等での医薬品や化粧品等の違法出品が増えています。

違法・危険商品の流通の防止に向けて、ショッピングモールやフリマサイトなどデジタル・プラットフォーム企業は、取引機会を提供する立場にあり、かつ、出店者・出品者の管理やルールの設定等を行うという点で、その役割が重要視されています。

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医薬品ネット販売対応、概ね改善。 濫用等のおそれがある医薬品の複数購入対応に課題(令和2年9月 医薬品販売制度実態把握調査)

平成26年6月12日に施行された改正薬事法により、第1類医薬品を含むすべての一般用医薬品のネット販売が解禁され、6年が経過しました。
厚生労働省では、毎年、医薬品の店舗販売とネット販売の販売ルールの順守状況について、一般消費者の立場から実際の医薬品販売の状況を調査しています。

調査期間は令和元年11月〜令和2年2月、一般消費者である調査員が店頭販売する全国5,036件の薬局・薬店と、特定販売の届出を行い、ネット販売する500サイトが対象。

調査では、ネット販売対応は前回に比べて全体的に改善傾向が見られました。
反面、「相談に対応した者の資格が薬剤師(または登録販売者)であった」、「濫用等のおそれがある医薬品を複数購入しようとしたときの対応」等の一部の項目で、店舗販売に比べて、ネット販売の順守割合が低くなっています。
特に、濫用等のおそれがある医薬品の複数購入対応については、5年続けて遵守率が50%を下回っており、販売ルールの徹底に課題が見られました。
医薬品販売制度調査_R.1(概況)

ネット販売に関する調査内容を確認します。

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令和元年度医薬品販売制度実態把握調査結果
(令和2年9月11日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13507.html
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事業者の自主的取組に期待。デジタル・プラットフォームでの消費者トラブル解消に向けた取り組み(「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」 論点整理)

新型コロナウイルス感染症による新しい生活様式の下、ネット購入が拡大し、特にECモールやフリマアプリなどのデジタル・プラットフォームは、新たな日常における社会インフラとしての重要性が増しています。

前回の記事で取り上げた令和2年10月の物価モニター調査においても、ここ1か月間で最も使っているネット購入方法として、デジタル・プラットフォームを利用した購入を選ぶ人が6割となっており、ネット購入に不慣れな消費者でも、安心して利用できるためのデジタル・プラットフォームの役割も大きくなっています。

デジタル・プラットフォームを介した商取引での消費者トラブル解消を目的として、プラットフォームの在り方について議論を行う「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」が2019年12月に立ち上げられ、議論が進められています。
第10回会合終了後の8月24日に、これまでの検討項目や今後の方向性、優先して検討すべき項目などをまとめた論点整理を公表し、10月8日の消費者委員会本会議で報告されました。

内容を抜粋してご紹介します。

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 1年前より「自社サイト購入」が増えた人は24%、「デジタル・プラットフォーム購入」が増えた人は39%(消費者庁 令和2年10月物価モニター調査)

新型コロナウイルス感染症による新しい生活様式の下、ネット購入が拡大していますね。令和2年10月の物価モニター調査では、ネットでの購入方法についての消費者の認識や、その利用傾向等を聴取しています。

ネットでの購入方法として、「メーカー等のホームページからの購入」、「デジタル・プラットフォーム運営者からの直接の購入」、「デジタル・プラットフォームの出店者等からの購入」の3つに分類し、各購入方法別の利用状況を尋ねています。
調査では、購入方法の3つの違いを明確に分かっている人は、約6割となっていました。

事故のおそれがある商品、模倣品、商品が壊れている、商品が届かないなどの、ネット通販による消費者トラブルを回避する上でも、売主情報の確認は重要です。

ネット購入に対する消費者意識を確認します。

【購入方法】
1)メーカーや販売業者が、自身のホームページで販売している商品・サービスを購入する
2)デジタル・プラットフォーム(※)上で、デジタル・プラットフォームの運営者から直接購入する
3)デジタル・プラットフォーム(※)上で、デジタル・プラットフォームの運営者からではなく、そこに 出店している事業者や出品している個人から購入する
(※)デジタル・プラットフォーム:
インターネット上のオンライン・ショッピングモール(Amazon、楽天市場等)やフリーマーケットサイト(メルカリ、ラクマ等)など

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コロナ禍で加速、消費者庁のAI・IT 技術を活用した法執行(令和3年度 消費者庁予算概算要求)

2020年の新型コロナウイルス感染症による、新しい生活様式に伴う消費者の購買行動の変化は、インターネット取引をはじめとするデジタル化をより深め、消費者行政においてもデジタル化への対応を大きく進めていく方針を打ち出しています。

9月に公表された令和3年度の消費者庁の予算概算要求では、AI・IT 技術を活用した法執行として、AI によるインターネット上の不当表示監視や事業者のデジタルフォレンジック調査、ターゲティング広告の手法を活用した消費者への注意喚起に取り組むとしています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により消費者の購買行動が変化している中、食品のECサイト上での購入が増加していることから、インターネット販売における食品表示のあり方の検討も盛り込まれています。

今回、概算要求基準が前年度と異なり、前年度額×100%+新型コロナ対応など緊要な経費という形になっており、令和2年度予算120億円からは約4割増、消費者庁としては過去最高額となる約166億円となっています。

消費者庁予算案R3年度_要求額

今回は、重点取り組み事項の中から、特に事業活動に関連する政策とその予算額をピックアップして紹介します。

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